普賢の影について

更科家の特殊設定で、「水無(珠莉母)からの薙刀直系に時折見えざるものや未来が見えたり、直感が鋭い者が現れる」っていうのがあります。

普賢はそれが結構強めに出ていたので、割と生まれてすぐからいろいろ病んでた感じです。見える割に未来は変わらない。少しは役に立つこともあったけど、基本自分は役立たずだと。でもそれを基本的に誰にも言わず、対外的にはにこにこしてすべてを隠している感じ。

そしてその孤独を知っているから、周りの人には同じ想いをさせたくないし、笑顔でいてほしいって言って余計背負い込んでいくループ。
割と誰に対しても突っ込んでいく、笑顔だから誰も警戒しない、でも自分に対しての思いがめちゃくちゃ低いので向こうが近づいてくると自分なんかと関わらないほうがいいよ、もっと他の人といた方がいいよってなる、割とめんどくさいタイプ。

普賢と和貴の関係

更科家の子は痣や模様は基本的に生まれた時から持って生まれたものという設定です。
和貴が痣のこと気にしているのは普賢も知っていたので、どうにかしたいと思っていた、そして今回の話ってところがあります。
ちなみにこのお迎え、和貴の母・佳奈ではなく普賢が迎えに行ったのは、「普賢なら勘がいいから和貴のこともすぐ探してくれると思う」っていう当時の当主である斗(普賢母)の采配によります。この時期双子が詰まってて交神計画が不思議なペースだったのか、親子が一緒にいられる時間が割と長かったですね。

普賢も初めての年下だったので、家の中で特に和貴を気にかけていたところがあります。
和貴は和貴で自分を救ってくれたと思っているし、助けてほしいって言ってもらったし、普賢のことを慕っていく。でもなんかコイツあのときの笑顔といいちょっとなんかあるぞ?ってことに気がついていく感じ。普賢の拒否は「大丈夫だから」って言って踏み込ませない感じなので、和貴は距離感を見極めてギリギリで近くにいることをうまくできるようになっていってるイメージです。最終的に「あ。コイツ今やべーな??」みたいなのを見極めて、でもそれを言わずにそばにいる。普賢もそんな和貴となら一緒にいられる感じですね。

余談。
和貴のひとつあとに由奈という女子が生まれて彼女は普賢にガチ恋なんですけど、ガチ恋すぎて彼女は普賢から一定の距離を置かれているのでそのへんは和貴が一枚上手。でも由奈は氏神になった普賢と子供を設けて、かつ自分も氏神になって普賢の近くにおさまっています。和貴は氏神になっていません。

漫画の補足

前述を踏まえて。漫画の後半でも和貴は「改めて当主になったってわざわざ言ってくるってことはなんか聞いてほしいことがあるのかやべー感じだな??」って感づいた上で対応している感じです。

更科家は当主は年長制なので、基本的に順番にやるもんです。当主にならなかったのは啓一から珠莉に指輪がわたるために拒否した比呂と、一緒に逝ったから当主にならなかった桜子と、一緒に逝けなくて当主にならなかった健だけかな。
でも和貴は普賢には当主になってほしくなかった。これ以上荷物が増えたらまずいんじゃね?って思ってたから。

普賢は和貴に孤独になってほしくなかったので、迎えに行った時に「僕を助けてほしい」って言ったけど、当時は多分本気では思ってなかった。和貴の頑張る理由を作ってあげたくらいの感じ。
だからラストでまさかあのときのことを言われるなんて、って感激してるところもあるんだけどねーそこまで描ける力量なんてなかったですね。

ちなみにこの後、普賢はこれが何もできない自分が背負った一族を動かすための役目を果たすとという気持ちといや自分でもきっとやれるっていう葛藤を抱えて髪戦に突っ込んでそのまま亡くなります。流されるままじゃなくて最後がんばれたのは和貴がいてくれたおかげだったのではないかと。

普賢は桜子との話とか都の女性との話とか枝葉も多い子です。全部書いてたら人生が終わらない。

今回の関連話

2004-6年頃に書いてた散文です。撤収するつもりはないんだけど、今のサイトの形式が展示に合わず現在改装中でサイトにはありません。文章がものすごく古いかつ、過去展示の直リンクなので若干体裁が悪いかもですがよろしければ。

雨と傘と繋いだ手
1028年7月。普賢視点。漫画の前半のお迎え話の翌月の話。
雨下
1029年6月。和貴視点。時系列的に漫画の後日談。雨の日に二人が会話してるだけ。
虹になりたい
1029年6月。健視点。雨下と同時進行くらいの話。弓双子が気になる方向け。

他割と普賢関係は過去散文でやりたいところはやってた感じがあるのでまた機会があれば。

 

週ドロで弓双子、槍双子を描いていたので、意図せず週ドロ集大成みたいになりました。創作するのも拝見するのもとても楽しませていただきました。ありがとうございました。